旅にCONTAX T2を

2021.10.11

皆さんこんにちは。

久しぶりの投稿となってしまいました。

スタッフの大江です。

今回は1990年に発売され、現在でも高い人気を誇るCONTAX T2を持って道東のお客様の元へ行く過程を撮影してきましたのでシェアしようと思います。

CONTAX  T2
チタン外装が美しいCONTAX T2

CONTAX T2とは

CONTAX T2は京セラが1990年に発売したコンパクトフィルムカメラです。

プログラムAEモードはなく、レンズ鏡胴部分に絞り値、フラッシュ発光(プリ発光)の表示があり、絞り優先AEでの撮影となります。

絞り値の設定、絞りによる描写やシャッタースピードの変化に関しては最低限の知識があるとよいかと思います。

 

驚くべきはそのお値段。発売時定価は12万円!

いわゆる「高級コンパクトカメラ」時代の先駆者的カメラです。

いわゆる「コンパクトカメラ」とは、レンズ交換せずに、シャッターを押せば写真が撮れるカメラのことを指します。

コンパクトカメラという選択

このCONTAX T2もいわゆるコンパクトカメラに分類されますが、何がそんなに違うのか?

使っている素材ももちろんチタン合金などを使用していて質の高いものではあるのですが、一番の違いはレンズです。

レンズに使われているのはレンズメーカーの雄「Carl Zeiss(カールツァイス)」。

搭載されているのは「Sonnar 38mm F2.8 T*」

38mmという焦点距離は一件変わった焦点距離となりますが。使ってみると、なるほどこれはスナップシューターというにふさわしい焦点距離。

(実は広角レンズが少し苦手というところもありまして…笑)

広角として風景に使うというよりは、スナップに持ち歩き、ふとした瞬間に主題を見つければそこに集中を向けられる絶妙な距離だと私は感じました。

後継機のCONTAX T3では焦点距離は35mmとなっておりますし後継機になってコーティングなども変わっていることから、T2の方がやや柔らかい印象を受けます。

ただ、多くの写真家がT2を愛用していることからもわかるようにこのカメラにしか表現できない世界がきっとあるはず…ということで、今回はCONTAX T2を片手に、支笏湖、釧路へと出張兼ねた撮影旅行をしてきましたので、その模様について記していこうと思います。

フィルム装填も含めたコンパクトフィルムカメラの使い方はこちら!

フィルムカメラを使ってみよう

支笏湖での撮影

フィルムはKodak Proimage100を装填し、まずは支笏湖へ向かいます。

札幌から国道453号を千歳市方面へ。

自然豊かなドライブに最適な道路を走り、支笏湖へ。

9月後半、最高気温は24℃前後。陽射しがまだまだ暖かく、湖畔では水に足を入れている子供たちの姿もありました。

CONTAX T2
軽すぎず、かといって邪魔になるほど大振りでもない。
旅行、スナップには最適です。
湖畔の写真
反逆光気味でもコントラスト落ちも少なくすっきりとした描写です。

支笏湖は日本最北の不凍湖として有名ですが、その透明度も素晴らしいものがあります。

湖畔にはボート、遊覧船乗り場などがあり、やや沖合に出れば出るほど、その透明度に圧巻されることと思います。

今回は湖畔から一枚。これだけでも透明度が分かるかと思います。

水の質感、湖畔の澄んだ空気感も表現できているかと思います。

こういった自然の描写も豊かに表現できるのは、さすがカールツァイスレンズだなという印象です。

支笏湖の水
透き通る支笏湖の水もしっかりと描写されています。
休暇村
支笏湖休暇村。小鳥のさえずりも聞こえる自然豊かな場所です。
緑もきれいに描写されています。

支笏湖での撮影は終始自然と向き合った撮影となりました。

暗くなった後はデジタルカメラで夕暮れなどを撮影していました。

この日は夕暮れ後は中秋の名月…の前日の月が顔を出しました。支笏湖の良さを伝えるためにデジタル撮影した写真も少しだけ…。

夕暮れの支笏湖
夕暮れの支笏湖。人影もまばらになり、静けさが湖の美しさが際立たせます。 (Nikon D500で撮影)
月と湖
「中秋の名月」前日の月。
(Nikon D500で撮影)

きれいな景色を後にし。翌週は釧路市へお客様のご依頼で出張買取を兼ねた撮影旅行へ。

釧路市への旅

翌週は釧路市へ出張買取のお客様のもとへ。

EZO CAMERAは全道各地出張買取をしていますので、ぜひご相談ください!

スタッフは撮影も大好きですので、撮影を楽しみにしながら向かうこともしばしば…(笑)

札幌市を出発し、道央自動車道を経由し、道東自動車道を釧路方面へ。

長い高速道を終え、釧路市へ。この日も快晴で、うれしいのですがなかなかCONTAX T2の絞り開放での描写をお見せすることができないのがやや残念です。

釧路へ向かう休憩地点での一枚。細かい網目の描写も秀逸。

釧路市といえば、私が食べたかったのはレストラン泉屋の「スパカツ」

ピンぼけ
テーブルフォトにはやや不向きかも?

CONTAX T2の最短撮影距離は70cm。

テーブルフォトには不向きな距離です。こういった撮影ではスマートフォンに軍配が上がります。

テーブル
XPERIA 5IIで撮影。テーブルフォトはスマホに任せましょう。

おいしいスパカツをいただいた後はお客様のお買取りに向かいました。

翌日に休みを設定したため、この日は釧路市に宿を取り、夕刻の繁華街をCONTAX T2でスナップすることにしました。

釧路の繁華街、末広町の一枚。崩れた外壁がさみしさを想起させます。

釧路の繁華街は平日ということもあってか人影はまばら。

CONTAX T2の軽快な使用感も相まってスナップが進みます。

変わった窓の居酒屋もあり、思わず一枚。

CONTAX T2は絞り優先AE機となっています。

適正な絞り値に設定しないと、上の写真のようにシャッタースピードが遅くなり、手振れ写真となってしまいます。

個人的な感じ方ですが、CONTAX T2は決してホールド性はよくないため、絞り値の設定に関しては忘れずに行うことを推奨します(自戒を込めて…)。

繁華街には個性豊かな看板も。

CONTAX T2の注意点としてはAFにやや不安があるということです。

中央に測距点があるのですが、上の写真も、立ち止まって手前の看板にピントを合わせてシャッターを押したのですが、やはりピントがやや甘い状態です。

ポートレート撮影などにおいてはMFモードで距離を変え、数枚撮っておくほうがいいかもしれません。

雨の幣舞橋
幣舞橋の夕景。この日は夕焼けは控えめでした。

釧路市といえば幣舞橋(ぬさまいばし)の夕景。

この日も夕景を待ってみましたが、雲が多く、なおかつ日中晴れ渡っていた関係上あまり夕焼けは見られませんでした。

ですが、橋で夕暮れを待っているときに、普段通りに帰路につく人の行き交う釧路の日常がそこにあって、その中に溶け込んでいるような不思議な感覚にもなりました。

そんな情景が映り込む…とまではさすがに私の腕前が足りないところではありますが物寂しい感じが表現できたかなと思います。

日暮れ後はフィルムカメラをしまい込み、釧路のおいしい海鮮に舌鼓を打ち、翌日帰路につきます。

旅の終わり

翌日はあいにくの雨。

国道38号線で帯広を経由し、帯広のお客様宅でもカメラをお買取りさせていただいて、再び高速道で札幌へ。

雨の窓ガラス
雨のサービスエリア。
雨の雰囲気がよく出ているでしょうか。

雨の中立ち寄ったサービスエリアで窓についた雨粒を一枚。

雨は弱かったのですが、フロントの窓ガラスにたくさんの雨粒がついているところを見ると、疲れてゆっくり休憩していたんでしょう。

…などなど、後から見返して気が付くことがあるのも写真のいいところでしょうか。

へとへとになりながら札幌に到着したとき、私の目に飛び込んできたのはこちら

夕暮れ
信号待ちで見られた夕暮れ

幣舞橋で不完全燃焼だった夕暮れを忘れさせるかのような見事な夕暮れが目の前に広がっていました。

フィルムを一枚取り残していたことに気づいていたので思わず撮影。

こういうことも、やはり常にカメラをそばに置いていないとできないこと。

そういう意味においても、常に身に着けて持ち歩きたくなるサイズ感とデザインのCONTAX T2は最適な選択肢なのかもしれません。

旅に寄り添ってくれる一台。CONTAX T2はスナップや、ただおしゃれなだけのカメラじゃない!ということがお分かりいただけたでしょうか?

もちろん、カメラを始めるきっかけとして、見た目から入るということは私自身も悪いことではないとは思っています。ですがカメラは使ってこそ!

その描写云々というよりは、フィルムカメラで写真が撮れる!という楽しみをぜひ、味わっていただきたいと思います。

 

今回もフィルム現像、データ作成は札幌菊水写真現像所様に依頼しました。HPはこちら→札幌菊水写真現像所公式HP

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ちなみにCONTAX T2、中古市場での人気は非常に高いものであり、現在でも高値で取引されています。

限定モデルも多数発売されており、例えば限定ゴールドモデルのお買取事例などもございます。

コンタックスゴールドモデル買取事例

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