カメラを買い、販売する。ということ。

2023.03.18

EZO CAMERAスタッフの大江です。

 

先日、とある場所に赴きました。

美瑛町です。

あるお客様とのやり取りが、私をここに立たせています。

 

 

当店は「中古カメラ専門店」です(2023年3月現在)。

お客様からカメラを買い取らせていただき、また新たなお客様へとお届けする橋渡し的な存在です。

お客様が大切にしているカメラですから、お買取りの際にカメラとのエピソードをお伺いすることも少なくありません。

今回はとあるカメラの買取にまつわるお話をしようと思います。

Mamiya 7

当店は電話やLINE@(最下段にリンクがございます)にて買取の依頼を受け、店頭やお客様のご自宅にお買取りに伺わせていただいています。

今回もお電話をいただいて、お客様のご自宅を訪問し、査定をさせていただきました。

お客様が査定依頼をしたのは「Mamiya 7」

お買取りさせていただいたMamiya 7

マミヤ光機が発売した6x7判のレンズ交換式レンジファインダーカメラです。

軽量なボディに非常に明るいファインダーを搭載し、絞り優先AEも使えてレンズも優秀なモノばかり。とても人気のあるカメラです。

レンズとカメラ一式を買い取らせていただきました。

果たせなかった思い出。

買取成立後に、お客様はカメラの思い出を話してくださいました。

「このカメラは発売当時どうしても欲しくてね。高かったけど無理して買ったんだ。でも仕事が忙しくなってバタバタしているうちにデジタルカメラが主流になった。そして車も手放してしまって…このカメラを持って美瑛に行って景色を撮ろうと思ってたのを思い出したよ。まぁ今更フィルムも買わないしなぁ。四季彩の丘や青い池、撮りたかったなぁ。」

と。お客様は笑っていましたが、一抹の寂しさが残る表情をしていました。

 

私は思わず言いました。

 

「私が連れていきます。」

 

お客様は思わず「えっ?」と私の顔を見ます。

 

「このカメラを、美瑛町に連れて行って写真を撮ってきます。」

 

三日後、私は休日を利用して美瑛町へと向かいました。

丘の街、美瑛

美瑛町へは札幌から高速道路を使用して車で二時間半程度。

奇しくも先日アルバイトスタッフの橋爪もダイヤモンドダストを撮影に来ていたそうですが、私の目的はあくまでも青い池と四季彩の丘。

約束を果たすために車を走らせます。

出発前にフィルムを装填。中判カメラは慣れないとフィルム装填が難しいものも多いのですが、Mamiya7はスプールの取り外しが容易で、巻き上げも軽快なためストレスなくフィルム装填することが出来ます。

桂沢湖

三笠市から桂沢湖を経由します。

この湖は人造湖で、いかにもといった風貌の湖なのですが、なぜか私は大好きでドライブの際はよく通過しています。

冬に通ったのは初めてで、普段からもの寂しい雰囲気の湖でしたが、この日は雨模様も相まってなお寂しい雰囲気に。

今回は動作確認も兼ねた撮影となりますので、すべての撮影をAEで行っています。

富良野市を経由して美瑛町へ。

冒頭にも掲載した「青い池」です。

当然ですが水面は凍っており、きれいな青色を見ることはできませんでしたが、うっすらと見える氷の下の青色が、上空のわずかな晴れ間と共鳴しているかのようでした。

今回撮影にはお買取りさせていただいた「Mamiya N 43mm F4.5 L」も持参して撮影しています。

曇り空だったために、開放でも撮影することができ、周辺減光が春を待つひっそりとした雰囲気を演出してくれます。

そこに息づく動物たちや、青い池を維持する人々の足跡もしっかりと残してくれました。

旅はまだまだ続きます。

 

お察しの通り、撮影した3月16日の時点で美瑛町はまだ雪に覆われています。

ですので、春に見られる色とりどりの丘陵地帯も、色彩を失っています。

色を失った世界

当日の雨模様もあって、真っ白な世界はなおのことコントラストが低く全体に暗い印象となっています。

撮影した時のイメージそのままに映し出されており、仕上がりを見たときは感動しました。

美瑛町は丘陵地帯に畑があり、夏から秋にかけてその美しさは最盛を迎え、収穫を終えた畑は最後に重機で整えられ、冬の準備に入ります。

その模様が雪解けとともに現れることで不思議な模様のようになっているのが、この時期の美瑛の風物詩です。

風が通った後のような模様が浮かび上がります。ピンボケですが…

ピントを合わせているうちにシャッターボタンに指が触れてしまい、ピンボケの写真となってしまいました。

ひとつ言い訳を許してもらえるならば

このカメラ、シャッターボタンが軽すぎる。

ということです。

Mamiya645Proでの撮影

サブとして持って行ったMamiya645Proに救われました。

こちらはピントもしっかり。この風景の美しさが伝わるといいのですが…

林道の美しさ

雨も強くなってきたため、道沿いにあった林道に車を停めました。

雪解けとともに姿を現す林道もまた、この時期にしか見られない風貌を映し出します。

コントラストの強い場面においても影の描写がきれいで、本当に素晴らしい性能です。

このカメラで美瑛の美しい景色を残したかったというお客様の気持ちがよくわかります。

 

一通りの撮影を終え、残り撮影枚数は一枚。

色を失った世界ばかりを撮っていることに気づきます。

色とりどりの四季彩の丘を撮りたかった。というお客様の思いをなんとか残したかったという後悔をしつつ、美瑛を離れようとしたとき

急に空が明るくなり、見上げると嘘のような青空が。

思わずシャッターを切り、色彩をフィルムに焼き付けることが出来ました。

 

 

札幌に戻り、いつもの通り現像を依頼。

優秀なAEでしっかりと撮影できていると信じていたので、札幌菊水写真現像所で「コントラスト高め、暗め」の仕上げでお願いをしました。

 

出来上がった写真を持ち、お客様へ。

喜んだ顔が忘れられません。

 

 

 

Mamiya7とはたった10枚の写真を撮った相棒となりましたが、このカメラの魅力をしっかりと次の持ち主に伝えることで、このカメラの役割を続けさせてあげることが出来ます。

 

カメラを買取り、販売するということはお客様の思いもつなげていくことに最大の意義があると感じます。

これからもカメラのお買取りを通じて、たくさんの景色を残すお手伝いが出来ればと思います。

 

 

エゾカメラは中古カメラ専門店

あなたの大切なカメラ、まだまだ役割がありますよ。

橋渡しはぜひ、エゾカメラへ。

 

 

 

 

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