すべてのカメラ好きはライカにふれる
2021.05.27
みなさんこんにちは。
カメラ出張買取専門店エゾカメラ、スタッフの大江です。
カメラ好きのみなさんのあこがれのメーカーと言えば?
ハッセルブラッド?ローライフレックス?
いずれも素晴らしいカメラですが、いやいや、やはりそこは「Leica(ライカ)」でしょう!
今回は、当店に入荷したLeicaカメラを試写する機会がありましたので、カメラの頂点、Leicaについてご紹介させていただきます。
そもそもLeicaとは?
Leicaはもともとライカというカメラメーカーではありませんでした。ドイツの顕微鏡などを開発していたライツ社が始まりです。
ライツ社は1849年、エルンスト・ライツ一世が創業し、その後エルンスト・ライツII世の時代に技術者であるオスカー・バルナックがライツ社に入社することでカメラメーカーとしての歩みを始めます。
バルナックは、当時主流だったカメラは非常に大型であったことに疑問を持ち、三脚などを据えずに気軽に撮影できるカメラの開発に取り掛かりました。
バルナックは当時映画用に使われていた24x36mmフィルムを使用するカメラを開発することを思いつき、現在の35mmカメラの元祖、「ウル・ライカ」を開発します。
ウルライカをはじめとして、Leica Ⅲgまでのモデルは「バルナックライカ」と呼ばれ、装填方法などにコツがいるモデルとなります。
一方バルナックライカの二眼式ファインダーに対し、一眼式レンジファインダーカメラは「M型」と呼ばれ、M3を皮切りに、世界中の写真愛好家に愛される商品となりました。
様々な経営危機がありつつも、現在までカメラ世界のトップブランドとして君臨し、多くのカメラユーザーをとりこにし続けています。
Leica Standard
さて、そんなLeicaですが、今回はバルナックライカの初期、スタンダードが入荷しました。
スタンダードの原型となるDⅡは、Icの後継機種となります。Icは、それまでレンズ固定式だったIa、コンパーシャッターを搭載したIbなど、レンズ交換のできなかったI型シリーズにレンズ交換機能を付け、その後のバルナックライカに続くL39マウントを初めて採用したモデルとなります。
スタンダードとDⅡはその後継機として発売され、DⅡは距離計を搭載、スタンダードは距離計を省いた機種となります。
こちらはレンズにエルマー5cm F3.5が装着されています。
ライカのレンズ群の中でも最もポピュラーなレンズと言えるのではないでしょうか。
沈胴レンズで収納性、携帯性も抜群です。
ライカのレンジファインダーカメラはシャッターが布幕で、ピンホールのある機種が多くみられることから、今回はフィルムを装填し、試写して撮影結果を確認することとしました。
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バルナックライカのフィルム装填
バルナックライカは、フィルム室の構造上、現行フィルムをそのままの状態で装填することは難しいため、フィルムをカットするか、テレフォンカードなどを使用して装填する方法があります。
今回は、フィルムをカットする方法を試してみたいと思います。
まずは裏蓋を開け、スプールを取り出します。
フィルムをカットします。
先端から10センチ程度を写真のようにカットし、本来の先端部分のようにカーブを付けてカットします。
今回はカットを多少失敗してしまいましたが許容範囲です。ですが「ささくれ」ができることは絶対に避けてください。フィルムがカメラ内部に残ってしまい、故障の原因となります。
フィルムをカットしたら、スプールに先端を差し込みます。
奥までしっかり差し込まなければ、巻き上げがうまくいかずにはずれてしまいます。
フィルムをちょうどいい長さまで巻きとり、スプールとフィルムパトローネを差し込み、空シャッターを一回切ったのち、裏蓋を閉め、巻き戻しノブを少し巻き戻してテンションがかかっているのを確認したら、フィルムカウンターを0に合わせて、再度巻き上げてからシャッターを切れば準備完了です。
Leica Standardを持って撮影へ
さぁ、いざ撮影へ出かけましょう。
いうまでもなくLeica Standardは露出もピントもマニュアルです。
それに加えて、こちらの機種は距離計非搭載のため、ピント合わせは距離指標を見ながら目測での撮影となります。
さらに、Standardはシャッターを切るたびに、巻き上げるとシャッタースピードが1/500秒に戻ってしまうため、連続撮影をする際には注意が必要です。
天気によってある程度露出を決定しておき、被写体を探して構図を決め、シャッターを切る。
シャッターボタンを押せば、「チャッ…」という、布幕が横に走る独特の静かなシャッター音が金属の冷たい筐体に響きます。
その音は他のどのカメラよりも静かで官能的な響きがあり、Leicaが世界で評価されている理由の一端を見ることができます。
試写をしたこの日は天候は曇りのち雨。ISO400ネガフィルムを装填し、撮影に出かけます。
Leica Standardの描写
さて、Leica Standardの気になる試写の結果ですが、残念ながら数点のピンホールが確認できました。
Leicaカメラの多くは布幕シャッターで、このようなピンホールはよく見られる症状です。
原因としては、カメラのマウント部やレンズを太陽に向けてしまうことにより、虫眼鏡のように光を集めてしまい、布幕に穴が開いてしまうことがあるから。
Leicaを手に入れた際は、ボディは絶対に窓辺に置かないことを約束してください。
さて、ピンホールがあることを前提で、Leicaと、エルマーの描写をご覧ください。
合焦部の解像度の高さも素晴らしいですが、全体に柔らかな厚みのある印象の描写。
開放F3.5ですが、なだらかなボケも印象的です。
3枚目は絞り開放での撮影ですが、周辺減光が発生し、全体にふんわりとした印象が強くなります。
F8まで絞れば、2枚目の写真のように全体に解像度の高い画像が得られ、とても60年以上前のレンズとは思えない描写能力です。
驚きの描写性能ももちろんですが、オールドレンズを使用する醍醐味は、やはり諸収差を楽しむことにあると思います。
レンズが作られたときには悪とされていた周辺減光、コマ収差なども味として楽しむことができます。
すべてのカメラ好きはLeicaにふれる
さて試写の結果、残念ながらピンホールがあり、メンテナンス後に再販することを検討いたします。
さて、Leicaスタンダードを使ってみての所感ですが、惜しむべきは私の目測カメラへの不慣れさ…
ビタ!っと狙った位置にピントが来た写真がないことが、すごく悔しいですね。
しかし、この不便さを含めて、使いこなしたい!と思える魅力があるのがライカのすごいところです。
人によっては「Leicaを使ったら写真が下手になった。」と感じることすらあるかもしれません。
しかし、それはLeicaのせいではなく、Leicaを使いこなせない所有者の技量によるものであるという感覚にすらなります。
ピントをしっかりと狙ったところに合わせられ、思った通りの構図で写真を撮ることが出来たならそこに素晴らしい写真が出来上がることは明白。
所有者を成長させてくれる相棒と言えるでしょう。
そんな高みにあるLeicaというカメラ。
写真に携わるすべてのカメラ好きは、Leicaにふれるべきであると感じます。
Leicaの神髄を味わおう
このように、Leicaはモノとしての完成度も非常に高く、所有する喜びがあることももちろんなのですが、Leicaを使いこなせるようになればこそ、写真が上達するという付加価値もある一品ばかりなのです。
また、私の信条として「写真はプリントすべし」ということがあります。
もちろんこれはLeicaに限らず、です。
世の中には様々なフィルムカメラが存在し、そのどれもが個性を放つ描写をする逸品であることは間違いありません。
スマホのスワイプで流れて行ってしまうデジタルデータでは味わえない、写真の物質としての温かみをぜひ感じてください。
(フィルムカメラの基本的な使い方については→こちら←の記事をご覧ください。)
Leicaで撮った写真をプリントし、額に入れて自宅の一部を飾る、というのもとても素敵な写真との向き合い方ではないでしょうか。
それでは皆さん、素敵なカメラライフを。
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