映画「浅田家!」はカメラを持つ人に観てほしい映画!

2020.10.21

みなさんこんにちは。

カメラ買取のEZO CAMERAスタッフの大江です。

 

先日観てきた映画「浅田家!」が素晴らしすぎて、これは写真を撮る人、カメラを持つ人は全員が見るべき!

と思ったので、今回は感想や私なりの視点で見た「浅田家!」をブログにしてみようと思います。

 

※以下、ネタバレを含みます!未鑑賞、ネタバレNGな方はご遠慮下さいませ…

 

 

 

 

 

 

 

 

Nikon F持参でレイトショーに行ってきました

 

 

 

 

 

 

 

 

あらすじ

写真家 浅田政志の木村伊兵衛写真賞受賞写真集「浅田家」の作成、受賞までの経緯を描いた前半部分と、東日本大震災の被災地での写真返却ボランティアを通じて人々と自分自身との交流を描く後半部分に別れます。

 

 

写真学生の浅田政志(:二宮和也)は、写真好きな少年時代を過ごし、写真学校に入学。

卒業するための課題「自分らしさをたった一枚の写真で表現する」の制作に頭を悩ませていました。

政志は子供の頃から、相手のことを100%理解しなければ、いい写真は撮れないと肌で感じているようで、それも頭を悩ませる原因となっていたようです。

講師の先生から「人生であと一枚しか写真が撮れないとしたら、君は何を撮る?」と問いかけられ、政志が思い付いたのは「家族写真」。

それも一番「その家族らしい」写真を撮ることと気づいた政志は、幼い頃起こった家族の大事件を再現した写真を発表し、見事に学長賞を受賞して卒業しました。

この「家族写真」が、後に写真集「浅田家」の制作に繋がっていくのですが、この「浅田家」という写真集は、浅田家の人々(父、母、兄、政志)が、自分がやりたかった職業、憧れていた職業などを題材に、いわゆるコスプレをして(コスプレというにはいささか本格的すぎるものもありますが)作り出していくのです。

この写真集、内容は本当に家族が一生懸命コスプレをして、色々な場面を再現しているもので、数々の出版社に持ち込んでも「これ、ただの家族写真でしょ」と一蹴されること多数。

確かにただの家族写真。内容もふざけているような、馬鹿馬鹿しいような内容のものばかり。

ですが、私も実際にこの写真集を持っていますが、家族の「あれがやってみたい」政志の「これが撮りたい」に対して、家族が一致団結して場所の選定、撮影地の許可取り、衣装、小道具や借り物の用意など、ひとつの作品を作り出していることが、家族の絆や愛しさを表現していて、笑いもあるけれどなぜか心が暖かくなる、そんな写真集なんです。

写真家浅田政志の愛機 PENTAX 67。映画でも多くの登場シーンがあります。

 

とある出版社の編集長に見初められ、写真集「浅田家」を出版した政志。

やがて作品は世に認められ、写真界の芥川賞「木村伊兵衛写真賞」を受賞します。

写真集の巻末に添えられた「あなたの家族写真撮ります」に、全国から次々と依頼が入り、全国各地を飛び回って「その家族らしい」家族写真を撮影する政志。

そんな折、東日本大震災が発生。

被災地の中には政志が初めて依頼を受けて撮影した家族のいる地域も含まれ、彼は一目散に被災地へ。

目的の家族の安否もわからず途方に暮れる政志の目に飛び込んできたのは、「写真返却ボランティア」を行う若者の姿。

津波に巻き込まれて土写真を洗浄、乾燥させて、少しでも多くの人に思い出を返したいと、政志もそのボランティアに参加します。

 

そこで一人の少女と出会います。

少女、母親と妹の三人は無事でしたが、父親は津波に巻き込まれ帰らぬ人となっており、その父親の写真を探していました。

ですが、「私や妹、お母さんの写真は見つかったのに、お父さんの写真だけ見つからない」そう言っていた少女。

やがて少女は、政志が写真家だと知り、「家族写真を撮ってほしい」と政志にせがみます。

政志は「撮れない」と断ります。父親の欠けた家族写真は、「その家族らしい」写真とは言えないと考えたからでしょうか…

写真を撮れないまま時が過ぎ、政志の父親の誕生日がやって来たため、政志は一旦実家へと帰ります。

父親が誕生日の席で倒れてしまい、入院。父親の回復祈願をするために、地元の神社へ兄と向かう政志。

そこで兄が言った「ここでも親父が俺たちの写真撮ってくれたよな。」という言葉で政志は一つのことに気づきます。

うちのアルバムにも、父親はほとんど写っていない

ということでした。

それをきっかけに、政志は再び被災地へ。

 

家族写真を撮って欲しいとせがんだ少女に「家族写真を撮らせてほしい」と声をかけます。

 

家族写真を撮ることになり、海岸へ出掛けた政志と、少女の家族。

政志は少女に、「時計を忘れたから、その時計を貸してほしい」と、少女が付けていた腕時計を借り受けます。それは少女の父親の形見の腕時計でした。

 

いざ、撮影となったとき、少女はカメラを構える政志の腕に付けられた腕時計を見て気付きました。

父親は、写真を撮るときはいつも一緒にいたのです。

父親が写真を撮ってくれていたから、写真には父親は写っていなかった。

それに気づいた少女は、満面の笑みで、写真に収まりました。


全編を通して、家族と写真との向き合いかたを前面に押し出す内容で、とても暖かい雰囲気で物語は進んでいきます。

 

前半部分で政志は、卒業後に写真を撮れないまま数年を過ごしていました。

そんなとき父親に「なりたいものになれたらエエな。」と言われたことがきっかけで、それなら親父のなりたいものはなんだったのか、と問い掛けたところから、写真集「浅田家」の制作が始まります。

その人にとって、なりたいものや撮ってほしい姿を残せることが、写真の強みでもあります。

 

彼にとって最も大切な写真である「家族写真」で、彼は写真家としてデビュー、世に認められていきます。

誰かのため、誰かに受け入れられるための写真ではなく、自分が一番だと思う写真を貫き通すこと。

そもそも誰かに受け入れられるために写真や芸術を嗜むということが違うのではないか。あくまでも自分自身が楽しむために写真を撮るということ。その中で他人に喜ばれる何かがあれば、初めてそれを提供する立場になれるということを、前半部分では教えられた気がします。

 

後半、東日本大震災の避難所で瓦礫の中から発見された写真やアルバムの清掃をする中で、自身の無力さや、写真を返す、ということが果たして正しいことなのか、ただのエゴではないのかと葛藤します。

そんな中で出会った父親を亡くした少女。

父親も一緒に家族写真に写りたいと言う少女の願いは、思わぬ形で叶うことになります。

父親の形見の腕時計をつけて撮影に望む政志。

Nikon FEのファインダーの先には、少女の屈託の無い笑顔が浮かんでいました。

Nikon FEのファインダー。この通りの映像が再現されていて、すごく感動しました!

 

ここまで、政志は自分の家族も含め、家族写真はすべてPENTAX 67で撮影していました。

ですが最後の少女の家族写真撮影に使用したカメラはNikon FE

Nikon FEブラック。初心者にも扱いやすい、この映画に欠かせないカメラです。

 

少女の家族の写真は、少女の父親がすべて撮っていました。ですから、父親が写っている写真はどこにもありません。

政志は少女が集めていた写真から、お父さんが撮影に使っていたのは35mmフィルムカメラであるとわかっていて、威圧感を薄める意味でも、父親の面影を思い出してもらうためにも、このNikon FEを使用したのでしょう。

また、このNikon FEは政志自身が父親から譲り受けたカメラです。

自分の多くを残してくれた父親のカメラで、父親のいない家族写真を撮ることが、政志のこの家族との向き合い方だったのでしょう。

 

カメラをお持ちの方の中には「写真は撮るもの」で、「写るのは苦手」と感じている方も多いと思います。私もその一人です。

ですが、この映画を見て思ったのは、「写真には写っておくべきだな」ということでした。

 

例えばこの映画のように大災害が起こったとして。

例えば予想もしない事故で突然自分が亡くなったとして。

 

あなたが家族の写真を撮っていたとしても、あなたの写真がなかったとしたら、家族はとてもさみしい思いをするでしょう。

それに、他人の顔は見ることがあっても、自分自身の顔って、鏡の前に立つときくらいしか見ることって無いと思うんです。

写真を見ながら、「この写真を撮ったとき、自分はこう感じていた。」という気持ちは、カメラをお持ちの方なら誰でも感じたことがあると思います。

その気持ちを、自分自身を撮影することで振り返ることもできますし、家族や大切な人がそれを見たときに、思いを馳せることも出来ると思いませんか?

 

家族写真も、自分自身と家族で作る立派な写真作品です。

たとえ世にでなくても、それは「世界にたった一つの家族」を写し止めた貴重な写真になるでしょう。

 

たった一人きりで写ったセルフポートレートも、あなた自身の「今」を写す貴重な資料です。

写真を撮って、自分の見ていた景色を残すことが写真のいいところだ思っていた自分にとって、写真の本来のあり方についてもう一度見つめ直すきっかけをくれた、そんなことを思わせてくれる映画でした。

 

 あまりに感動して写真がもっと好きになったので、カメラや写真に携わる者として、写真が好きな人がもっと増えてくれますようにと願いを込めて書かせていただきました。

 

私自身、カメラ買取を通じてオーナー様やご家族の思い出に触れることもあり、やっぱりカメラや写真って素敵だなと

 

映画「浅田家!」ぜひ観てみてください♪

 

 

 

 

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